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2023.09.11
こんにちは。バルジ建築設計室です。
今回はバルジで多く引き合いを頂いている古民家リノベーションについて書いてみようと思います。
最近、古民家や旧家などの空き家対策がネットやテレビなどで取り上げあれていると思います。またご実家などの活用として、リノベーションして住んだり、カフェにして営業されたり、古民家を目にすることが増えてきたかと感じています。今、古民家が流行っている理由は2つあると思います。
1つ目は、古民家に住むのがおしゃれ、格好いいという考えが広まっていることです。日本文化というものは、外国人の間でも高く評価されています。古民家をアレンジして、いろいろな要素を取り入れ、かっこよく纏め、デザインしていくのが良いと感じるのではないでしょうか。新しい家でも古民家や旧家、和風のテイストを取り入れた家も最近は見かけますね。また既存の家を活用するというのはSDGsやエコの観点からも評価されています。社会や環境にやさしいライフスタイルがカッコいい、おしゃれという考え方です。今は外観や目で見るものだけではなく、過ごし方や生き方のかっこよさというものが重要視されていると感じています。
2つ目は空き家、既存住宅が余ってきていることです。人口減少に伴い、特に田舎や郊外の家は空き家が多くなってきています。国や地方自治体も、問題視しており、補助金などを交付することで、空き家の積極的な活用に取り組んでいます。話題になっている窓リノベ補助金なども政策のひとつです。(CO2排出量削減という目的もありますが。。。)また地方によっては、リフォーム費用や売買の仲介手数料に補助金をだしているところもあります。
この2つの観点から、古民家や旧家へ住みたいという希望は今後さらに増えると考えられます。ただし古民家を購入したからといってすぐに住める状態の家は少ないです。現在の住宅とは異なる考え方で作られているため、快適性(断熱・採光・段差・間取り)や安心性(耐震性・構造物の劣化)のレベルが低いものがほとんどです。今までの経験上、リフォームなどで修繕な箇所が多く存在します。ではリフォームをする場合、どのような点を考えなければならないのでしょうか。私たちバルジ建築設計室が考える古民家・旧家のリノベーションについてお伝えしていきたいと思います。
・安全性の実現
地震大国の日本ですので、耐震性の向上は必須です。ですが、地震への考え方は古民家が建てられた、当時の状況とも大きく異なっていることもあり、どんなに耐震にお金をかけても、完全に大丈夫と言い切ることはできません。(新築もそれは同じですが。。。)耐震を測る上で重要なことは:基礎、柱、壁そして屋根の重みです。多くの古民家は設計図や構造に関する書類がないため、建物を見て、バランスや構造を判断する必要があります。それには多くの経験値とノウハウが必要となります。間取り変更などを希望される場合は、柱の再配置、補強などの影響を受けるので、注意が必要となります。また、雨漏りやシロアリなどで構造体の劣化も考える必要があります。耐震性を考えた設計を行っても、木材に腐りや欠損があると耐久性、耐震性に大きく影響を及ぼします。今後の劣化を防ぐためにも雨水の侵入を防ぐ、シロアリの駆除、防蟻処理をきっちり行うことも、建物の価値、安全性を維持するうえで非常に重要となります。
・間取りとライフスタイルの変化
古民家や旧家といわれる、日本家屋には何点か特徴があります。代表的なものは、仏間、客間といわれるお部屋です。古民家が作られた当時は、そこに住む家族を重要視して家づくりを行わず、「お客様、外への見え方、見栄」を重要視したつくりになっています。おおむね客間は庭や道路面に面して、日当たりの良い場所に配置されています。床柱などにお金をかけ見栄をよくしている一方で、家族が過ごす部屋、寝室などは奥の日当たりの悪い、採光も少ない場所に配置されています。しかし、最近は家にお客様を招くことが少なくなったこと、ごく親しい人のみを家にあげ、リビングへ通すなど、ライフスタイルが大きく変化しています。特にコロナウイルスの流行以降、お客様が家に来るということは非常に少なくなったと感じています。家の中で一番場所の良い客間を家族のためのスペースにするのが主流になってきています。
・デザインの制限
古民家に合うデザインは和風だけ。そう思っておられる方も多いのではないのでしょうか。実はそうではありません。むしろ色々なテイストを組み合わせることがおしゃれな間取りを作り上げることができると考えています。古民家の良いところ(例えば、大きな柱や梁)を残したり、魅せることによって、ハイブリッドなデザインにする事ができます。私たちは家や建物に重要と考えることは、目で見て、肌で感じて、過ごして感じる快適さです。何に幸福を感じるかは、人それぞれで唯一無二です。お客様の希望や理想を形にしていくこと、そしてバルジの経験や考えをプラスすること、ワンランク上のリノベーションをご提供することができると考えております。
・リフォーム会社を選ぶうえで考える事
お客様がどこにリフォームを頼むか、すごく悩まれると思います。「大きな会社に任せれば安心」「雰囲気がおしゃれな会社だとデザイン性の高い家になるのでは」「職人肌の会社だと技術が高い」「なるべくリーズナブルなところが良い」様々な考え方があります。その中でも一つ重要視していただきたいのは、フィーリングが合うこと、自分が考えていることが伝わっている、ちゃんと形にしてくれているということです。リフォームを何回も行っているという人は少ないですし、ほとんどの人が初めてではないでしょうか。なかなか判断は難しいと思います。でも会話がちゃんとできているかどうかは、判断しやすいと感じています。工務店やリフォーム会社とは、工事をしたら終わりではありません。メンテナンスや家に対して困ったことがあったら、対処してくれる、長年のお付き合いになります。いわば家のパートナーです。長い目でみて考える事も重要と考えています。
我々バルジはそれぞれのプロとしてスタッフが丁寧に仕事を行います。設計・構造、デザイナー、現場監督・施工、不動産・登記・各補助金など各持ち場を極める事でより良い「住まい」を目指しています。設計から施工、お引き渡し後のメンテナンスまで我々がすべて行い対応することで安心して任せていただける体制を整えております。古民家のリフォームをお考えの方はお気軽にお問合せください。
・古民家リノベーションの事例
・リフォームで活用できる補助金にも対応
過去の記事はこちら
株式会社バルジ・オカダ/バルジ建築設計室
代表取締役 岡田邦彦(1級建築士)
企画営業室長 中嶋高紀(営業/宅地建物取引士)
デザイン性
古民家の建物構造を理解すれば、デザイン性や導線の良い間取りの実現が可能。
耐震性
図面のない建物の構造を理解する事が重要。
施工
現地調査だけではわからない、躯体の劣化などに現場で対応するには監督、職人の経験が重要。
補助金の活用
各種補助金制度に登録している工務店でなければ対応が難しい。慣れと経験も必要。