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2024.09.04
先進的窓リノベ事業とは?
2023年から始まった、窓の入替や内窓の設置に関して、国から補助金を受ける事が出来る制度です。公式ページの事業概要によると、下記のような記載があります。
”先進的窓リノベ2024事業は、断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、エネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現および家庭からのCO2排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長を実現させることを目的とする事業です。”
つまり、既存住宅の断熱性能向上を行う事で、省エネな暮らしを実現し、光熱費の軽減を行う事、快適な暮らし、健康を守る事で、日本としてのCO2排出量を削減し、地球温暖化を防ぐという狙いがあります。この事業は国(環境省)が行う事業となっており、住んでいる地域や自治体に関係なく、補助金を活用する事が可能です。
先進的窓リノベ2024事業を使うとかなりお得
結論からお伝えすると、こんなにお得な補助金はありません。従来リフォームに関する補助制度はありましたが、最大でも20万円~50万円程度の補助金でした。しかし窓リノベの補助金を活用すると最大200万円、窓工事金額の4~5割ほどを補助金として受け取れることになります。エネルギー価格や為替、物価高騰など、価格変動が大きいこのご時世だからこそ、うまく補助金や国の制度を利用してリノベーションされることをお勧めいたします。
窓リノベで受けられる補助額や対象工事は?
対象条件は下記となります。
・住宅に行う開口部(窓)の断熱性能を向上する事業
補助対象事業:開口部(窓)の断熱改修 (リフォーム)
補助対象者:工事発注者
※ここでいう住宅とは「人が居住の用に供する家屋」を言います。つまり、住む事を目的としない建物(事業所、事務所、お店など)はこの事業の対象になりません。のちほど申請に必要な書類にも関わってきますが、以下に該当する建物は住宅と認められず、補助対象にならないので、注意が必要です。
①不動産登記、固定資産の課税において、住宅以外の用途に分類される
② ①が住宅という表記であっても、現に住宅以外の用途に使用している(店舗、施設等)
※①で書面上住宅と証明ができたとしても、実際には店舗に使用していた場合は、申請が不可能となります。
・対象となる工事
1.ガラス交換
2.内窓設置
3.外窓交換(カバー工法、はつり工法)
4.ドア交換(カバー工法、はつり工法)
※屋外から鍵で閉められるものをドアとします。ドア交換に関しては、他の窓工事と同時に申請する場合のみ申請が可能です。
補助額は1枚あたりの補助額がきまっており、その積み上げとなります。最大200万円まで積み上げる事が可能です。
窓のサイズとグレード(熱貫流率)の数値に応じて、定められており、高性能なものほど、補助額が大きくなります。下記表を公式ページから引用していますのでご確認ください。
ガラス交換
内窓
外窓交換(カバー工法)
外窓交換(斫り工法)
それぞれの工事と効果について
1.ガラス交換
ガラス交換とは、文字通り、窓の枠をそのまま使用して、ガラスのみを交換する工事です。1枚ガラスのものを2重ガラスに交換する事や、空気層を真空にしたガラスを使用する事で、断熱効果を得る事が可能です。ただし。既存サッシの性能に影響を受けます。アルミサッシの場合、サッシからの結露を防ぐことはできません。一番安価な工事にはなりますが、効果も限定的になります。そのうえ補助金に関しても、既存サッシの性能が大きく影響を受けます。アルミサッシに真空ガラスを交換した場合、窓リノベの補助金の対象とはなりません。築年数がたっている、アルミサッシ、シングルガラスを入れておられる住宅に関して、ガラスを入れ替えても、補助金を受ける事ができないとお考えいただくのが良いかと思います。(子育てエコ補助金を使う事も可能ですが、1枚あたり数千円と費用対効果的にもあまり魅力的ではありません。。。)
工事前
工事後(真空ガラスに交換 ※アルミサッシのため子育てエコ補助金を使用)
2.内窓
内窓はもっともよく、この補助金をつかって設置されています。内窓の特徴は既存サッシを残したまま、室内側にもう1枚窓をつける事で、断熱性能が大きく向上します。当社ではSグレード扱いとなる、樹脂サッシ、ペアガラス、LOW-E、アルゴンガス入りをお勧めしています。よくわからない用語が並んだと思いますので、のちほど、一つずつ説明致します。内窓は工事が容易に可能で、既存サッシの撤去などもないため、手軽に工事ができます。(ほとんどの工事が1日あれば完了します。)そのため、工事費も安く済み、且つ断熱効果はすごく高いので、コスパの良い工事と言えます。しかし、室内側から窓を開ける時、2重窓になるため、2回開ける作業が必要になります。あまり開閉の無い窓を内窓にし、ベランダの掃き出し窓などは窓の入替を行うなど、組み合わせてうまくコストダウンしていくのも一つの方法です。
工事前
工事後(グレードS 中サイズ)
工事前
工事後(グレードS 大サイズ)
樹脂サッシ
通常昔はアルミを使ったサッシが多かったのですが、現在は樹脂を使用したものが増えてきています。プラスチックみたいなイメージです。樹脂は軽く、強度もあり、その上熱の伝導率がアルミに比べて格段に低いので、冬場の寒さでも冷たくなりにくい素材です。
ペアガラス
窓を見たとき1枚ガラスに見えますが、実際はガラスが2重になっています。これも断熱性能を高めるためです。2重にする事で空気層を取る事ができ、断熱効果を発揮します。
アルゴンガス
先ほどお話した空気層ですが、通常の空気でも断熱効果がありますが、アルゴンガスという特殊なガスを空気の代わりに入れる事でより断熱効果を発揮します。
LOW-Eガラス
LOW-E膜といわれる、特殊な金属膜をガラスにコーティングされたガラスの事です。放射熱と言われる種類の熱に対して効果を発揮します。中空層の内側にコーティングされているため、実際に手で触れる事はできないものですが、遮熱効果に大きな効果を発揮します。
外窓交換(カバー工法、はつり工法)
外窓交換とは既存窓を撤去し、新たな窓を入れる工事の事です。カバー工法とは窓の外枠(レール)を残し、その上に新しいレールや枠をはめ込んで、窓を新設する工法です。枠の撤去が不要であるため、外壁の影響を受けずに工事が可能です。ただし、既存枠の上から枠を付けていく形になるので、窓の大きさは一回り小さくなります。カバー工法は窓の製品代が高く、斫り工法よりも費用が高くなる傾向にありますが、補助金が高く設定されているためお得に工事が可能です。はつり工法の場合、既存枠の撤去が必要となります。そのため、外壁の撤去など一部外壁のカットが必要になるケースがあります。
工事前 ※空き家の改修工事前
工事後(はつり工法 グレードA 大サイズ)
窓のみの入替を行いたい場合は、カバー工法を行い、大規模なリノベーションや間取りの変更をお考えの場合は、はつり工法をお勧めしています。工事のご希望や予算に応じてご相談いただければ詳しくご説明させていただき、適切な工事をご提案させていただきます。
申請や必要書類について
申請はお客様が直接行う事ができません。事業者登録をしている工務店、ハウスメーカー等からの申請となります。工事前、工事後の写真、申請書類の手配などを行い、オンラインにて申請を行いますので、工務店の経験も必要となります。当社では昨年20件、今年度も30件ほどの申請を行っており、不採用となったケースはございません。各現場の担当ではなく、専門のスタッフが一括して行っておりますので安心してお任せください。お客様側でご準備いただく必要がある書類も記載しておきます。
・窓リノベ実施規約(工務店で準備し、ご署名頂きます)
・請負契約書(工務店で準備しご署名捺印いただきます)
・本人確認書類(運転免許書、保険証など)
・登記および固定資産税の通知書
30万円以上の補助金を受ける場合、家が建ってから1年以上経過している事を証明する書類が必要となります。登記の新築日の記載もしくは、固定資産税評価額の部分の記載をもって証明致します。自治体によって記載の有無がありますので。こちらもご相談いただければと思います。
最後に
断熱性能を高めるには、窓のリノベーションが一番手軽で早い方法です。夏のエアコンが効きにくい、冬の光熱費が気になる、ヒートショックが心配など色々と悩みはあると思います。自宅の水回り交換や、大きなリノベーションをお考えの方でも、お得にリノベーションが行えるチャンスです。ぜひこの機会を活かして、お得にリノベーションをして、快適な住まいを実現しましょう。
バルジ建築設計室
株式会社バルジ・オカダ
代表取締役社長 岡田邦彦
先進的窓リノベ事業とは?
一定の性能を持つ入替、設置工事にて使える補助金
交付金額はいくら?
窓1枚ごとに補助金単価が設定。最大200万円まで受給が可能
申請はどうやって行う?
工事請負業者、つまり工務店がオンラインにて行う。慣れている工務店でスムーズに申請を。
本当にお得な制度?
光熱費を下げる。家の快適性をアップ。ヒートショックなど健康にも良い。補助金がある今がお得でチャンス。