ブログ
blog
2024.03.15
実家や中古物件をリノベして住みたいというお客様が以前に比べて多くなってきました。
特に実家の敷地内に使っていない離れやお家があり、法令上やレッカーなどの大きな車が使用できないなど、色々な条件で建て替えができないケースもあります。また解体費用、建築資材の高騰により、リフォームにお金をかけるという選択を選ばれるお客様も多いです。
今はリノベーションもおしゃれな、デザイン性の高い間取りに実現が可能になりました。また敢えて古いものを残すというのもおしゃれの一つとなっています。
子育て世帯、若者世帯のマイホームの選択肢が「新築」に拘る方も減って生きているのではないでしょうか。そこで、今回は「使わなくなった」、「世代交代になる」実家や敷地内の離れをおしゃれにリフォームするコツ、ポイント、バルジの考えやノウハウをお伝えしたいと思います!
”新築” ではなく、 ”リノベーション” という選択肢
若者夫婦世代、子育て世代の家づくりに変化が起きている感じています。今まで多くのお客様とお話をしてきましたが、20~40代のお客様は新築、50~のお客様はリノベーションと2つに分かれていました。建売も含めて新築の選択肢が充実していたこと、リノベーションでは、求めるデザインやおしゃれさを実現できなかった事があげられます。また利便性の高い立地、郊外の新興住宅地は、大手ハウスメーカーや建売業者が新築を数多く提供していたことも挙げられると思います。ではここにきて、なぜリノベーションが多くなってきたのか。理由を簡単にまとめてみました。
・建築費用の高騰
一番の理由はこれではないでしょうか。コロナ影響、世界情勢の不安定、人件費の上昇など多くの値上がり要因があり、建築業界も例外ではなく、大きな影響を受けています。材木、コンクリート、キッチンなどの住宅設備はこれからも値上がり傾向であり、年を追うごとに、価格は上昇すると考えています。(少なくとも下がる事は無いかと。。。) そのため1からすべてを要する新築はかなりの値上がりとなっています。素材にこだわった工務店さんでも坪100万円、ハウスメーカーにいたっては坪130万円超ともいわれています。土地からのお客様はそこに土地代がプラスとなります。奈良で注文住宅を考える場合は、5000万円前後がラインではないかなという印象です。また、国の方針で、省エネ法の改正や世間の断熱の考え方、レベルがアップした事により、より性能の良い家が求められており、建築費用のアップにもつながっています。
・中古住宅の流通促進
国の方針で中古住宅の流通を活発にする動きがあります。空き家の数は年々増えており、社会問題にもなっています。使われなくなった家は、傷みやすく、腐りなどにより、傾き、最悪の場合は倒壊してしまいます。空き家と言ってもボロボロのものばかりではなく、状態の良いもの、しっかり管理や空気の入替を定期的にされているものもあります。空き家は使わずに維持管理、税金を支払っており、早く手放したいと考えている所有者も多く、価格が抑えめに売却されることも多いため、購入してリノベーションを行う場合でも、新築よりコストが抑えられるケースがあります。
・補助金の活性化
皆さんよくご存じの「子育てエコホーム支援事業」、「先進的窓リノベ事業」です。リノベーションに使える補助金で、かなり大きな補助金を受ける事ができます。特に窓リノベは断熱性能も大きく向上し、且つ最大200万円まで補助金が受けられる、大変お得な補助金制度です。既存住宅のCO2削減を国も力をいれて行う必要があるため、このような政策を行っています。この補助金も今年で2年目ですが、いつまで続くか、わからないというのが正直なところです。
実家をリノベするメリット
今回このブログを書く最大のテーマです。実家が空き家になっていて、つかえるのかどうかわからない。住むか悩んでいる。住んでも安全に、快適に住めるのか、自分が思うような間取りや、デザインになるのか。悩みはたくさんあるかと思います。
結論としては、実家をリノベーションして快適な生活を送ることは可能です。
そのようなお客様をの施工もさせていただいているので事例を交えながら、お伝えしていきたいと思います。
・思い入れのある実家を残すことが出来る
まずは、愛着のある実家を残し、住むことができるのは大きなメリットだと思います。小さい頃の思い出の詰まった実家で、次世代が住み継いでいくのは、良い事だと思います。またリノベーションは建て替えと異なり、多くの部材を残すことができます。フルリノベーションとして、柱や梁など骨組みだけとなった場合でも、一部材料を再利用したり、加工して再活用する事もできます。実家にはそれぞれが過ごしてきた歴史が刻まれています。使用していた建具を再利用したり、柱を見えるように残したりとそれぞれに合った形でリノベーションしご提案が可能です。
・リノベーションする家の事を理解している
中古物件を購入してリノベーションされる方とは大きな違いです。実際にそこに住み、生活をした事がある、住んだことは無くても遊んだり過ごしたりした事があれば、家の良いところ、不便なところ、問題点が良く理解できていると思います。考え方や感じ方は人それぞれですので、この家での ”経験” がリノベーションする時の考え方に大きく役立ちます。
・柱、梁など部材が良いものを使用している可能性がある
特に古民家や旧家では、現在では高価で使用が難しい木材が使われている事があります。硬く強度の高い木材等も多くありますので丈夫さを生かしたり、梁を見せるような、レトロとモダンを組み合わせたようなデザインなど、おしゃれな空間のアクセントにもなります。
・間取りを自由に変える事ができる、デザインも自由に
外周の形を変える事はできませんが、既存の間取りの中で部屋を大きくしたり、区切ったり、壁をとったりは意外と可能です。ただし、家の荷重を支えるような柱、壁を抜いた場合、ほかのところで支える必要はあります。これは新築でも同じです。リノベーションの場合、この家がどのような構造で建てられているのか、どういう目的で柱や壁が作られているのか、把握し、その上で適切なバランスを考え、柱や壁位置を変えていき、間取りを考えていく事が可能です。
デザインに関しても同じ事が言えます。例えば純和風の家に、ブルックリンやアウトドアなど全く異なるテイストを持ってくるのはおかしいのでは?と考えられる方が多いかと思います。答えはNOです。どんな家にもこれといった決まりはありません。ただし何でもかんでも取り入れるというのはおしゃれなデザインにはなりません。バランス、ある程度の統一感は必要です。そこにはデザイナーのアイデアや調整が必要です。そのためデザイナーさんとのフィーリングは非常に重要です。
・新築に比べて建築費用が抑えられる
上記でも書きましたが、コロナや円高の影響で資材が高騰したこともあり、建材や設備費用は高騰し、それにより家そのものは大きく値上がりしています。基礎、柱、梁をそのまま活かす事で、建築費用を抑える事が可能です。また実家であれば、新たな土地の購入も不要ですので、その分建築費用に回す事も可能です。
・補助金の活用
2024年度であれば、子育てエコホーム支援事業、先進的窓リノベ事業など、補助金を使ってお得にリノベーションを行う事が可能です。リノベーションの場合、子育て世帯、若者夫婦世帯 年齢制限関係なく、利用することが可能です。新築の補助金とは異なり、家全体の性能ではなく、設備や部材毎に補助金が設定されているので、部分的な改修等にも使用する事が可能です。
実家をリノベーションする際のデメリット
・新築に比べて耐震性能は劣る
バルジが考える新築は構造計算での耐震等級3です。耐震等級3を取得しようとする場合、屋根の重量、柱梁の位置、太さ、基礎の厚みなど、すべての一定条件をクリアしなければなりません。実家のリノベーションの場合、その当時の耐震基準で作られた家ですので、当然現在の基準と乖離があります。リノベーションではできる工事も限られており、難しいのが現状です。現在の耐震性能を求める場合は、建替えとさほど変わらない費用がかかるため、現実的ではありません。
ただし、リノベーションの場合でも現状の建物を補強し、耐震性能を上げる事は可能です。
・改修しなかった部分は今後工事を行う可能性が出てくる。
予算の都合上、リノベーションをする部分、しない部分が出るお客様も、たくさんおられます。それぞれ優先順位があるので、それは仕方のない事と思います。その部分は昔のままになるので、劣化し何かしらの修繕が先に発生する可能性があります。のちのち足場を設置して工事を行う事になると、リノベーション時、修繕時と2回足場を組む事になるので、無駄な費用が発生してしまいます。将来長く住む事を考えると、纏めて工事されることをお勧めします。
実家をリノベと並行して検討する事
・建替え
・実家を売却して、新たな場所に新築
選択肢として一度は検討してみてください。新築でしかできない事も多くありますし、新築の良さもたくさんあります。この辺りはまた別のブログで書ければと思います。
実家をリノベしておしゃれな生活を手に入れるためのポイント
・元の実家のデザインには囚われない
この家に合うのは、こうじゃないか?という固定観念には囚われてほしくないと考えています。自由に考える事、そしてお施主様自身が憧れる事を実現するためには、どうしたらいいか、一緒になって考えてくれる工務店さんを見つけることが重要です。デザイナーとのフィーリングがあるかどうかが大事と書きましたが、加えて私たちがもうひとつ大事だと思う事があります。
「ひとつのデザインにこだわった設計をしていない」と言う事です。
どういう意味かというと、たとえばカルフォルニアテイストのおうちばかり建てている工務店さんがあったとします。カルフォルニアテイスト一色で良いというお客様にはそれで良いと思いますが、テイストが決まっている分、自由度が少ないと考えています。住まいというのは、ひとりひとり違ったものでありたい、お施主様にあった”個性的なおうち”を実現したいと私たちは考えています。ですので、決まった家、テイストというものは持っていません。施工事例を見ていただいても、統一感が無く、色んな家を建てているという印象を受けると思います。これは色んな家を建てる事ができる、色んなテイストを組み合わせて、アレンジして「その人唯一の家」を建てている事を感じていただけるかと思います。
・工務店さんの考え方を理解、共有する
リフォームとリノベーションでは何が違うの?と思う方もおられると思います。私たちはリフォームは比較的規模の小さな工事、水回り(キッチン、お風呂、トイレ)等の交換、和室を洋室に変える工事などを指しています。一方リノベーションは骨組みだけにしてしまい、間取りからすべて変えていく工事の事を指しています。新築がメインの業者さんはリノベーションが得意でない事があります。それは職人さんの仕事の方法が大きく異なるからです。新築では、組み立てず、プレカットにより、イレギュラーな対応は多くありません。一方で、リノベーションは現場で起こるイレギュラーに対応する事が必要です。壁を撤去したら、柱がシロアリに食べられている。その当時に作られた図面と異なる箇所があるなど様々です。バルジでは長年古民家リノベーションを行っており、設計、デザイン、営業、職人さんに膨大な経験があります。本当のリノベーションができる工務店は、新築も、リフォームも行う事ができます。その経験がまた、新たなデザインや対応力につながっていると、考えています。
最後に奈良・河内長野で実家のリノベーションをお考えの方へ
バルジの家づくりは、家をおしゃれにするわけではなく、「そこに暮らす人々をおしゃれにする」空間づくりです。洋服でもおしゃれなもの、自分の好きなものを身に纏うと、幸せな気持ちになると思います。家づくりはすごく似ていると思います。おしゃれに暮らすには、デザインだけでなく、間取り、快適さも大きなポイントです。どんなライフスタイルを今過ごしているか、そして、どんなライフスタイルを将来過ごしたいか。お客様と一緒になって考えご提案させていただくことを心がけています。またバルジでは、リノベには重要な耐震診断・地震対策も専門のスタッフ、設計士が確認しご提案いたします。
実家のリノベーション事例
次世代に受け継ぐ、-旧家・古民家-【富田林市】
実家をリノベしてセカンドライフを過ごす【奈良市】
お問い合わせはこちら